こんにちは、日本語のうつくしさに見惚れて28年、
純日本人の中二です。
今日は知ってそうで知らない言葉
「こけら落とし」
について意味や由来などを解説した記事を書きました!
調べてみるとなるほど、と思うことが多々あったので
ご紹介します。
こけら落としの意味は?
こけら落としという言葉は、
「新しく建った劇場の最初の公演」を意味します。
主に屋根付きの劇場での公演を指しているので、
屋根のないスタジアムなどで行われる最初の公演は
こけら落としという言葉を使うのは誤用とされています。
それにしても、なんでこけら落としっていうんだろう?
そもそもこけらって何?と思った方もいるでしょう。
当の自分もまさしくそうだったので、こけら落としの由来についても深掘りしていきます。
こけら落としの由来は?
こけら落としのこけらとは、「材木を削った際の木片」のことです。
屋根などの木片を払うことがこけら落としの由来です。
新しい劇場を建てる際に出た木片をきれいに落として最初の公演を迎える様子。
つまり、こけらを落として最初の公演を迎えるのでこけら落としと言うんですね。
納得です。
次にこけらという漢字に目を向けてみましょう。
こけら落としのこけらは漢字で書くと「杮」です。
へぇぇ~、柿(カキ)ってこけらとも読むのかぁと思ったあなた!
というか自分も全く同じことを思ったんですけど、
この杮(こけら)という字、柿(カキ)とは別物なのです!
今文字を打っていて、この2つの字の違いがよく見ると見えるので、
拡大して2つの文字を書いてみます。
↓
柿 杮
左が「カキ」で、右が「こけら」です。
よく見ると違いわかりましたかね?
カキの方はつくりが市という字です。
鍋蓋(亠)に(巾)ですね。
一方、こけらの方は見た目は市という字なのですが、
よく見ると鍋蓋ではなく、一本の(丨)で突き抜ける字なのです!
この違いが問われることは人生において、
肌感覚99.9%ないかと思いますが、
豆知識中の豆知識として覚えておけばいつか披露する日がくるかもしれない?!
こけら落としの使い方や例文は?
先ほどもちらっと説明しましたが、こけら落としは
“屋根のある”劇場での建設されて迎える最初の公演で使う表現です。
ですので、屋根のないスタジアム等、例えば
「明治神宮スタジアムのこけら落とし公演は○○のライブです」は、
使い方として正しくありません。
「東京ドームでのこけら落とし公演はTHE ALFEEのコンサートです」
これは合ってますね。
どうやら新しく建てられた建物での最初の公演という意味で捉える人が多いようで、
よく報道とかでも屋根のない建物でこのこけら落としというワードを使う人がいますね。
まぁ日本語は常に使っていく内に意味が付け足されたり、
誤った使い方でも正しい意味になることもあるので
気にとめなくてもいいかもしれませんね。
また、歌舞伎の用語で
「こけら落としを見ると寿命が伸びる」という格言があるくらいなので、
歌舞伎舞台となる劇場が新たに建てられたとしたら、
その場面でこけら落としという言葉を使うのはふさわしいですね。
こけら落としにお祝いは必要?どんなものがいい?
ここまでで説明した話を踏まえて
こけら落としとなる公演の場、劇場などを
想像してもらうと分かる通り、
単純に大勢の観客が集まるような大きな施設、劇場
などのことを指します。
ですので、こけら落としにお祝いというのは
こけら落とし公演を見に行くことがすでにそれでお祝いになっているので
何かを持っていかなければならない、ということはないです。
友達の店の開業祝いとかだったら話は別ですがね。
それはまたこけら落としとは違う話です(笑)
新国立競技場のこけら落とし公演
実は新国立競技場のこけら落としは?という記事を書いていました!
屋根ないので使い方間違ってますね!(笑)
その時は正しい意味を知らなくて、、どうぞご容赦ください。
あ、でも完全な屋根はなくとも観客席の屋根はあるな?!
屋根あるにはあるからいいのかな?!
新国立競技場のこけら落としに関する記事はこちらです↓↓
おわりに
いかがでしたか?
日本語って日本人なのにわからない言葉がたくさんあるな、
と改めて感じました。
ぼくは最初こけら落としというワードを聞いた時、
だるま落としの映像がずっと浮かんでいました(笑)
今日の記事がみなさんの疑問解消や豆知識になればうれしいです。