スポーツのルールは複雑なものが多くて、理解しづらい方も多いですよね。

特に選手同士の接触の多いラグビーや、バスケットボールのルールは複雑だったりしますよね。

そんな中、実は意外と理解出来ていないルールが存在するスポーツを皆さんはご存知でしょうか?

それは野球です。

 

特に、野球の中でも【振り逃げ】に関するルールが意外とややこしいのです。

実際にプレイをしている選手たちですら、いざその状況に陥ると対応できなくなってしまうこともしばしばあります。

 

そこで、今回は【振り逃げ】に関するルール覚え方、そもそもなぜ振り逃げがあるのかを誰よりも詳しく解説していきます。

是非、この記事を最後まで読んでみてください!

【振り逃げ】とは?

そもそも、【振り逃げ】とはどういったルールなのか、誰でも分かりやすいように、説明していきます。

 

まず、審判が打者(バッター)に対して3回ストライクを宣告したとしましょう。

この時、その打者には三振が記録されますよね。

しかし、一塁上に走者(ランナー)がいない場合か、あるいは二死(2アウト)の場面で、第3ストライクにあたる投球を捕手が正規の捕球を果たせなかった場合には、打者(バッター)は一塁への進塁が可能となってしまうのです。

正規の捕球とは

「投手のノーバウンドの投球を捕手の手、あるいはミットでしっかり受け止め、かつそれを確実につかむことです。
つまり、捕手がピッチャーの投球を確実につかめなかった時、あるいはワンバウンドしてからの補給は正規の捕球にはならないのです。

この時、守備側が【振り逃げ】をさせないためには、打者が一塁に進塁する前に、ボールを持っている者が一塁か、打者にタッチする必要があります。

もし、この打者(バッター)がアウトにならなかったら、この打者(バッター)は、一塁上の走者(ランナー)として塁に残ることが出来ます。

 

過去に、東海大相模高校と横浜高校との試合で【振り逃げ】が成立したことがあります。

実は、この時のバッターは現在読売ジャイアンツでエースの菅野選手だったのです。

 

周りに動揺されずに、自分の意思で一塁に向かって走って行ったのはさすがでした。

複雑で理解しづらい【振り逃げ】を菅野選手はしっかり理解していたようですね。

【過去の「振り逃げ3ラン」の場面】↓↓

日本では、今解説した流れのプレイが一般的に【振り逃げ】と呼ばれています。

 

しかし、【振り逃げ】という名前に日本国内では正式名称はないです

つまり、通称で【振り逃げ】という単語を使われているだけなので、どこか不思議な感じですよね。

英語においては【振り逃げ】はUncaught third strike、もしくはDropped third strikeと呼ばれています(いずれも「捕球されなかった第3ストライク」の意味です)。

【振り逃げ】のルールの覚え方は?

ルール

ここまで、ひたすら【振り逃げ】とは?を説明しましたが、ここではさらに噛み砕いて説明していきます。

 

どのような場面で振り逃げが成立するのか

また、【振り逃げのルール覚える簡単な方法は何なのか

この2つを中心に、詳しく解説していきます!

 

繰り返しになってしまいますが、復習も兼ねてもう一回だけ【振り逃げ】を解説します。

【振り逃げ】とは

2ストライク目の後の球を、審判がストライクと宣告するとバッターはアウトとなってしまいます。

しかし、打者(バッター)が第3ストライク目の球を見逃そうが、空振りしようが、キャッチャーが正規の捕球をできなかった状況では、バッターは1塁へ進んでも良いといことです。

具体例を述べると、バッターが、もし見逃しや三振をしたとしても、キャッチャーがボールを後ろに逸らしてしまったり、またはキャッチャーミットから球を落としたり、これ意外にもピッチャーの投げた球をワンバウンドした後にキャッチした場合などは、「振り逃げ」が出来る状況にななるということです。

これらを頭に入れておいてくださいね。

 

では、ここからは【振り逃げ】が成立する場面や状況を分かりやすく解説していきます!

アウトカウント

2アウトの場面では、他に何が起こっても振り逃げの発生条件を満たしていることになります

これは何があっても忘れないでください。

 

しかし、2アウトでない場合はまた話が変わってきます。

ノーアウト、1アウトの時です。

というのも、ランナーがどこにいるのかが重要となってくるからです。

各状況に合わせて、解説していきます。

ノーアウト、あるいは1アウトで塁上にランナーなしの場合

ノーアウト・1アウトで塁上にランナーなしの場合を想定してみましょう。

結論から言うと、この状況ではバッターは【振り逃げ】の発生条件を満たしていることになります

理由は1塁上にランナーが存在しないからです。

ノーアウト、もしくは1アウトでランナーが1塁にいる場合

では、状況を変えてノーアウト、あるいは1アウトで1塁上に走者(ランナー)がいる場合を想定してみましょう。

結論から言うと、この状況ではバッターは【振り逃げ】の発生条件を満たしてはいません

なぜなら、1塁上にランナーが存在するからです。

 

しかし、この状況であったとしても、2アウトでなら振り逃げをする条件が整っているということになります

ノーアウト・1アウトでランナー2塁、ランナー3塁、ランナー2・3塁の場合

ノーアウト・1アウトでランナーが2塁の時、ランナーが3塁の時、ランナーが2・3塁の場合を想定してみましょう。

この場合でしたら、アウトカウントに関係なく振り逃げをする条件が整っているということになります

 

理由は1塁上にランナーが存在しないからです。

つまり、ややこしいことは置いておいて、1塁上にランナーがいるか、いないかで判断すれば非常に分かりやすいです

 

どうやって【振り逃げ】を覚えれば良いか?

それは、【振り逃げ】のルールの根本を捉えておけば良いでしょう。

 

まずは、上記でも伝えていますが、1塁上にランナーがいるかどうかを見ましょう

1塁上にランナーがいない状況なら、他に何が起こったとしても、キャッチャーが3つ目のストライクの球を正しく捕球することができなければ振り逃げができる条件が整ったということになります

または、2アウトだったら、1塁に走者(ランナー)がいたとしても、振り逃げの発生条件を満たしていることになります

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満塁時に【振り逃げ】はできる?どうなる?

満塁

上記の説明を踏まえると、満塁時だと何があっても【振り逃げ】ができる条件を満たしていませんよね。

 

なぜなら、満塁ならば、必ず1塁をランナーが占有しているからです。

 

では、2アウトの時且つ、満塁の場面では一体どうなるのでしょうか?

皆さんに解説していきます。

 

結論から言うと2アウト時の満塁の場面では振り逃げの発動条件を満たしています

また、この場合で守備側が打者をアウトにする方法は、1塁手(ファースト)に送球するか、本塁を踏めば3塁走者をアウトにすることが可能です。

もし球を後ろに逸らしてしまった場合は急いで1塁に送球するよりも、本塁をタッチした方がミスもしないので安全でしょう。

そもそも【振り逃げ】がなぜあるのか

野球

そもそも【振り逃げ】というこんなにもややこしいルールがなぜあるのか?

疑問に思う人もいることでしょう。

分かりやすく解説していきます。

 

結論から言うと、守備側の【ずる】をなくさせるためなのです。

まず、上記で繰り返し説明してきた【振り逃げ】ができる状況を思い出してください。(今回はランナーが既に1塁上にいる場合。)

打者の【振り逃げ】が成立してこの打者が1塁に進んだら、1塁走者は1塁上に留まることは出来ず、2塁にいかなくてはいけません(「フォース」の状態と言います)。

フォースとは
フォースの正式名称はフォースプレイ (Force play) と言います。
打者が投球を打つなどして走者になったとしたら、既に塁上にいるランナーが、規則によりその塁の占有権を失い、次の塁に進まないといけないことが原因で生じるプレイのことを言います。
つまり、打者が何かしらの理由で1塁に進むことになった場合、既に1塁上にいたランナーは2塁に進まないといけないということです。

その時、1塁走者が2塁に到達される前にボールが2塁に送られて触塁されれば1塁走者はアウトになりますし、続けて打者走者もアウトにするプレーもできます。

 

つまり、捕手はあえて正しい捕球しなかったとしても、そういうダブルプレーをできる状況になるので、わざと一度捕った投球を前に落としてダブルプレーを狙うというプレーも容易にできます。

これがもし、まかり通るのなら、かなりずるいです

例えば、ノーアウト満塁の場面で、わざとキャッチャーが捕球をミスしたとしましょう。

塁上にいるランナー達はフォース状態になるので全員が次の塁へ進まざるを得ない状況になります。→捕手は球をすぐ拾って1塁に送球することなくホームベースを踏みます。(3塁走者アウト)→その後、捕手が3塁に送球します。(2塁走者アウト)→3塁手が1塁に送球することによって(打者アウト)トリプルプレーもあり得ることになってしますのです。

 

こういう「ずる」が起きないようにするために【振り逃げ】があります。

振り逃げ】がなぜあるのか、分かって頂けたと思います。

【振り逃げ】が話題!

baseball

つい先日のことですが、2019年8月31日の巨人対阪神戦でも【振り逃げ】が成立しています。

これがSNS上でかなり話題になりましたので、皆さんにいくつか紹介していきます。↓↓

 

ぼーっとしてると分からなくなってしまうので、注意が必要ですね!

 

阪神に所属している大山選手の【振り逃げ】により、SNS上では大盛り上がりです。

 

また、大山選手は足が速いため2塁上まで進んだことにより、【振り逃げ】によるタイムリーツーベースの記録となっています。

1回の【振り逃げ】で2塁まで進むことができる走力も、今回の盛り上がりの要因でしょうね。

おわりに

いかがだったでしょうか?

 

かなりややこしいルールである【振り逃げ】について今回は誰よりも詳しく解説をさせて頂きました。

振り逃げ】の覚え方、またなぜ【振り逃げ】があるのかを理解して頂けたのなら幸いです。

 

野球のルールをしっかり知ってからする試合や、見る試合は全く別物です。

これからも、是非、野球をすることも観戦することも楽しんでくださいね!

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